魔族の王子の進む道
怒りの王子
娘の母親は、娘が未だ語らない、王子との会話の詳細などが気になっていたのだろう。かなり悩み、考え込んでいるらしい。
「…何か下心があるに違いないだろう、こんな下賤な男の言うことなど……」
そうは思ったが、本来なら追い出した時点で、城に居座られるか、自ら死を選ばれてもおかしくないほど傷付くであろうことを、自身がしてしまったのも事実。
この娘が行為の意味を知らなかったにしても、母親にすら、身を散らされたことを打ち明けなかったのがずっと気になっていた。
『ゼラ!!』
母親の必死な声にハッと気づくと、娘は巻角の二人の男に囲われ、どこかへ連れて行かれる所だった。
『母さん!!』
『大丈夫ですよ、娘さんはしっかりとお医者様に診てもらいますから。しっかりと…ね…。』
『ゼラ〜!!』
追いかけようとする母親を一人の巻角の男が取り押さえ、母親はそのまま泣き崩れた。
『貴族様…どうして…!!?』
彼は愕然とした。
あの男たちの様子はどう見ても手慣れており、一度や二度ではない様子。
低魔族など似たようなものと思い込んでたかをくくっていた為、別魔族同士でのあのような事を間近で見たのは初めてだった。
「おのれ……!!我が世界でこれ以上好きにさせるわけにはいかない!」
彼は少数の兵を呼び集め、娘を拐った者たちの行方と、小角族の集落の情報収集と見張りを命じた。
「決して、低魔族の者たちを怯えさせることの無いよう!」
「王子の命により、村の見張りに出掛ける!我に続け!」
副隊長の掛け声とともに兵たちは城を飛び立った。
その頃娘は、一角獣の牽く男たちの車に乗せられ、巻角族の住む街に向かっていた。
「貴族様、どこまで行くんですかぁ??」
「お医者様に会う準備をするんですよ。しっかりと身支度を整えなくては……」
男はそう言うと、仲間に尋ねた。
「おい、高魔族のお偉方に声は掛けたか?抜かるなよ…?」
「??」
「…何か下心があるに違いないだろう、こんな下賤な男の言うことなど……」
そうは思ったが、本来なら追い出した時点で、城に居座られるか、自ら死を選ばれてもおかしくないほど傷付くであろうことを、自身がしてしまったのも事実。
この娘が行為の意味を知らなかったにしても、母親にすら、身を散らされたことを打ち明けなかったのがずっと気になっていた。
『ゼラ!!』
母親の必死な声にハッと気づくと、娘は巻角の二人の男に囲われ、どこかへ連れて行かれる所だった。
『母さん!!』
『大丈夫ですよ、娘さんはしっかりとお医者様に診てもらいますから。しっかりと…ね…。』
『ゼラ〜!!』
追いかけようとする母親を一人の巻角の男が取り押さえ、母親はそのまま泣き崩れた。
『貴族様…どうして…!!?』
彼は愕然とした。
あの男たちの様子はどう見ても手慣れており、一度や二度ではない様子。
低魔族など似たようなものと思い込んでたかをくくっていた為、別魔族同士でのあのような事を間近で見たのは初めてだった。
「おのれ……!!我が世界でこれ以上好きにさせるわけにはいかない!」
彼は少数の兵を呼び集め、娘を拐った者たちの行方と、小角族の集落の情報収集と見張りを命じた。
「決して、低魔族の者たちを怯えさせることの無いよう!」
「王子の命により、村の見張りに出掛ける!我に続け!」
副隊長の掛け声とともに兵たちは城を飛び立った。
その頃娘は、一角獣の牽く男たちの車に乗せられ、巻角族の住む街に向かっていた。
「貴族様、どこまで行くんですかぁ??」
「お医者様に会う準備をするんですよ。しっかりと身支度を整えなくては……」
男はそう言うと、仲間に尋ねた。
「おい、高魔族のお偉方に声は掛けたか?抜かるなよ…?」
「??」