露人くんは狂ってる。
「来週オフ日が出来たから、また一緒に出かけないか誘いに来た♪」
少年のような可愛い笑顔を浮かべながら
ルンルン気分で話す露人くん。
高校時代とは明らかに変化している性格。
「それなら別にラインで良かったのに」
「…………嫌な予感がしたから」
私の発言に一瞬真顔になると
小声で何かを呟く
「え?」
「なんでもなーい!俺がただ愛に会いたかっただけっ」
再び笑顔に戻るとさっきみたいに
抱きつく彼に私は苦笑いを浮かべる。
「来週の土曜日なんだけど、愛……仕事休みでしょ?ダメかな?」
「うん、いいよ。でも……こんなただの一般人と出かけたりしてて大丈夫?」
前回から思っていた疑問を
率直にぶつけてみる
「大丈夫、大丈夫!ちょっと変装しとけば案外、人なんて周り気にしてないからバレないって」
けれど、露人くんは本当に大丈夫なのか
能天気なのか分からないけど、笑顔でそう答えた。