露人くんは狂ってる。
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「楽しかったー!」
水族館を一通り楽しんだ私たちは
車までの道をのんびりと歩く。
「ふふ、愛すごく子供みたいにはしゃいでたね」
「ちょっと!子供みたいとか言わないでよ!」
露人くんは綺麗な顔をくしゃってして
可笑しそうに笑う
露人くんの方がよっぽど少年みたいな
可愛い笑顔してるじゃないか!!
とは……言わないけど。
「俺も楽しかったよ……ねぇ、愛これ」
露人くんが話の途中で足を止める
そんな彼の手の中には小さな袋
「ほんとは……ペアリングとか渡したいけど……流石に片想い中の相手に送るのは重すぎるから……今はこれくらいで……というか受け取って欲しい」
ちょっと照れくさそうに笑う露人くんに
こちらまで心臓がうるさくなり始める。
いつもテレビに映ってる
クールな露人くんからは
想像もできない彼のいろいろな
表情が見えてドキドキする。
「ありがとう、開けていい?」
「もちろん」
私は露人くんから小さな袋を受け取り
それをゆっくりと開けて取り出す……
「あっ……これあの可愛いイルカちゃん!」
中から出てきたのは……
さっき私が3人に買ったのと同じ
イルカが出てきた……。
「水色と黄色で明るい感じが、愛っぽかったから」
「嬉しい!露人くんありがとう!実はね、私もこれ」
今度は私が露人くんに小さな袋を渡す。
「これ、俺に?」
「うん!開けてみて」
露人くんは私から袋を受け取ると
それを同様に袋から取り出すと
嬉しそうにそれを見つめる。