君と春に、
春、出会いと再会と。

よく晴れたきれいな青空に桃色の花が映えている。
「綺麗…、」
そうつぶやいた桜楽の髪を暖かい風が優しくなでた。
「桜楽〜、入学式に遅れるよ〜。いくよ〜?」
「は〜い!今行く〜!」
私はおねーちゃんにそう答えて走って追いかける。
「待って〜、美桜ちゃん!おいてかないでえ?」
「はいはい、わかってるから早くして?」
家の前の川沿いの道をおねーちゃんと二人で歩く。
「おお〜い!、みさ〜、さら〜、忘れ物だぞ〜。弁当。あと、俺のこともおいていくなよ!同じ高校だろ?」
そう、家から走ってきた海美くんがいう。
「ええ〜?」
私と美桜ちゃんは一緒に言いながら笑う。
「ねー、あみくん、みさちゃん、制服にあってる?」
3人で歩きながら、私は2つ上の兄姉に聞いた。
少し大きく感じるのスカートの裾を2回ほど折って穿いたスカートをひらひらさせながら返事を待つ。
「おう!バッチシ!な、みさ。」
「うん。流石私の妹♪」
2人は笑って答えてくれた。
「エヘヘ〜♪でしょ?」
そんな話をしながら学校へ行く道を歩いていると少しずつ人も増えていく。
それに伴って、視線も多くなる。
妹の私が言うのもなんだが、2人はとても美しい。
…うんうん。そうだろう、そうだろう。
今日も可愛くて、かっこいいでしょ?
わかるよ、わかる
{ああ、今日も華咲ツインズは美しいね〜。}
と、言っているのでしょう?
あそこで2人コソコソ話しているのは。
ああ、私も混ざりたいっ!…
「ねえ、華咲ツインズと一緒にいる、あの可愛い子、だれ⁉え、え?」
「待って、あの子1年生じゃない?華咲ツインズより美しいって、何者⁉」
海美と美桜、桜楽が歩くたびに視線が集まる。
校舎内がざわめく。
「ねえ〜、美桜ちゃん、海美くん、2人ってほんとに人気者だね!」
私は笑顔で2人に言う。
「それもあるけど、いつもはこんなんじゃないよ。多分…、桜楽がいるからだよ。」「う、うん…」
海美くんと美桜ちゃんが何故か少しひいた感じで言う。
「謙遜しなくてもいいのに〜!」
2人が謙遜しているのだと思った私は軽くそう言った。
すると、2人は顔をずいと私に近づけた。どこかで変なスイッチが入ったのだろう。
「いい?なんかあったら必ず言うのよ?私達の教室に来ていいからね?」
と、私にそう強く言ったところで、
「おお〜い!桜楽〜、こっち!クラス張り出されてるよ!あ、美桜さん、海美くん、おはようございます!お久しぶりです!」
親友の嶺雨に呼ばれた。
「あら〜、嶺雨、久しぶりね〜元気にしてた〜?嶺雨がいるなら安心ね!」
「ええ〜?ほんとですか〜?美桜さんにそう言ってもらえて光栄です!」
「ねえ、ちょっと。もう美桜ちゃんばっかずるい!おはよ、嶺雨!クラスもう見た?」
「ううん。桜楽と見ようと思ってまだ見てないよ!早くみよ!」
「うん!」
そう2人で言って表を覗き込んだ。
「えっと、華咲、華咲…ああ〜!あった!私、Cクラスだ!」
「まじ?観瑠流、観瑠流は、っとお、あ、ええ〜、嘘!私もCクラスだあ!」
「嘘!めっちゃ嬉しいんですけど?!やったね、嶺雨。」
「うん!」
嶺雨と同じクラスになれて嬉しくなった私達はお互いの手を握り、くるくると回りだす。
と、そこで邪魔が入った。
「あっ…、もしかして、さーら?」
私達の頭の上に?が見えた。
「???」
私のことを『さーら』と呼んだ男の子はとんだ美形で、私は目を丸くした。
「え、と、どちら様、でしょうか?」
私がそこまで言ったところで、チャイムが鳴り、
「桜楽、時間やばいよ。教室まで送るから、早く行くよ。」
と美桜ちゃんに呼ばれたので、名前も聞かずに私は3人のあとを追った。
「ねえ、桜楽、さっきの人、誰?知り合い?」
廊下をあるきながら嶺雨に聞かれる。
「うう〜ん?それがさ、わかんないんだよね。」
「まあ、桜楽は有名人だもんね!w」
「ちょっと、嶺雨。からかってるでしょ!もう!」
嶺雨と2人、そんな会話をしながら海美くんと美桜ちゃんについていく。
「桜楽、嶺雨、ついたよ。1-Cはここ。じゃあ、また放課後ね!」
美桜ちゃんと海美くんはそう言って2年生の教室に行ってしまった。
にしても、さっきの男の子は誰だったのだろう。私のことをさーらと呼ぶ人はいない気がする。
「桜楽、
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