二人
海水浴
「うぅー」
「みぃー」
「だぁー」
「ふっふーっ!!」
雲一つない青い空、これでもかと照りつける真夏の太陽、寄せては返す波の音、きらきらと眩しく光る渚。
遠くまで続く防波堤の上に、真っ黒に日焼けした少女が四人並んで、海に向かい叫んでいる。その姿を少し離れた所から、ソフトボール部顧問の原田が眺めていた。
「青春しとんなぁ」
今日はソフトボール部の盆休みに、予定のない者だけで集まり、原田の引率で海へと遊びに来たのだ。
その中に、京香と奏音の姿も見える。
二人の住む海沿いの町にある、猫の額ほどの砂浜とそこから伸びる防波堤。
この町に住む子供達は、この防波堤から飛び込み遊ぶ事が当たり前なのである。
決してお洒落な水着など必要なく、スクール水着の上からTシャツを羽織り、足にはビーチサンダル。
「行っくよぉ~」
いの一番に飛び込んだのは、同学年でピッチャーをしている絵理子。ピッチャーをやっているだけあって、度胸だけは人一倍ある。
「続けぇ!!」
絵理子とバッテリーを組む佳苗も飛び込み、絵理子と二人で海面から顔を出し、京香と奏音の二人を手招きしている。
「気持ち良かよぉ!!」
二人の手招きに誘われる様に、京香と奏音が同時に飛び込んだ。大きな水しぶきと共に海中に沈んでいく。
「ぷはぁっ!!」
京香が海面に顔を出し、大きく息を吸った。しかし、奏音はまだ浮かんでこない。三人がきょろきょろと奏音の姿を探している。
とその時だった。
京香の頭が海面から消えた。それを見て驚いた二人が慌てて京香の元へと近寄ると、今度は海面へ京香と奏音の二人が浮かんできた。
「びっくりしたやんねっ!!」
奏音が海へと飛び込んだと同時に深く潜り、京香の足を引っ張って海中へと引き込んだのである。
「驚いた奴の負けぇ」
してやったりの表情をしている奏音。それを見た三人がけらけらとわらっていた。
それからしばらく、海の中で遊んでいた四人が砂浜へと上がってきた。そこには、ビーチパラソルの下でのんびりと原田が本を読んでいる。
「先生ぇー、お腹空いたぁ」
「おう、昼飯食おうか?」
砂浜で昼ご飯を食べ、少し休んだらまた遊び、そして少し休む。それを何度も繰り返して行くうちに、夕方になっていた。
「お前ら、そろそろ帰るばい」
原田は立ち上がり、海に浮かんでいる四人へと声を掛けた。その呼び掛けに気づいた四人が浜へと上がったきた。
「もう夕方かぁ」
絵理子が空を見上げながら、まだまだ遊び足りない様子で呟いた。そして、四人並ぶと原田は写真を撮ってもらうと、それぞれの携帯へと送信してくれた。
そして、手分けして片付けていると、京香が奏音の元へとやってきた。
「楽しかったね」
ふんわりと微笑みながらそう言う京香。
「また来たいね」
「みんなとでも楽しいけど、今度は二人で来ようね」
「だねっ」
肩と肩をとんっとぶつけ合いながら笑う二人は、いつまでもこんな日が続くと信じて疑わなかった。
「みぃー」
「だぁー」
「ふっふーっ!!」
雲一つない青い空、これでもかと照りつける真夏の太陽、寄せては返す波の音、きらきらと眩しく光る渚。
遠くまで続く防波堤の上に、真っ黒に日焼けした少女が四人並んで、海に向かい叫んでいる。その姿を少し離れた所から、ソフトボール部顧問の原田が眺めていた。
「青春しとんなぁ」
今日はソフトボール部の盆休みに、予定のない者だけで集まり、原田の引率で海へと遊びに来たのだ。
その中に、京香と奏音の姿も見える。
二人の住む海沿いの町にある、猫の額ほどの砂浜とそこから伸びる防波堤。
この町に住む子供達は、この防波堤から飛び込み遊ぶ事が当たり前なのである。
決してお洒落な水着など必要なく、スクール水着の上からTシャツを羽織り、足にはビーチサンダル。
「行っくよぉ~」
いの一番に飛び込んだのは、同学年でピッチャーをしている絵理子。ピッチャーをやっているだけあって、度胸だけは人一倍ある。
「続けぇ!!」
絵理子とバッテリーを組む佳苗も飛び込み、絵理子と二人で海面から顔を出し、京香と奏音の二人を手招きしている。
「気持ち良かよぉ!!」
二人の手招きに誘われる様に、京香と奏音が同時に飛び込んだ。大きな水しぶきと共に海中に沈んでいく。
「ぷはぁっ!!」
京香が海面に顔を出し、大きく息を吸った。しかし、奏音はまだ浮かんでこない。三人がきょろきょろと奏音の姿を探している。
とその時だった。
京香の頭が海面から消えた。それを見て驚いた二人が慌てて京香の元へと近寄ると、今度は海面へ京香と奏音の二人が浮かんできた。
「びっくりしたやんねっ!!」
奏音が海へと飛び込んだと同時に深く潜り、京香の足を引っ張って海中へと引き込んだのである。
「驚いた奴の負けぇ」
してやったりの表情をしている奏音。それを見た三人がけらけらとわらっていた。
それからしばらく、海の中で遊んでいた四人が砂浜へと上がってきた。そこには、ビーチパラソルの下でのんびりと原田が本を読んでいる。
「先生ぇー、お腹空いたぁ」
「おう、昼飯食おうか?」
砂浜で昼ご飯を食べ、少し休んだらまた遊び、そして少し休む。それを何度も繰り返して行くうちに、夕方になっていた。
「お前ら、そろそろ帰るばい」
原田は立ち上がり、海に浮かんでいる四人へと声を掛けた。その呼び掛けに気づいた四人が浜へと上がったきた。
「もう夕方かぁ」
絵理子が空を見上げながら、まだまだ遊び足りない様子で呟いた。そして、四人並ぶと原田は写真を撮ってもらうと、それぞれの携帯へと送信してくれた。
そして、手分けして片付けていると、京香が奏音の元へとやってきた。
「楽しかったね」
ふんわりと微笑みながらそう言う京香。
「また来たいね」
「みんなとでも楽しいけど、今度は二人で来ようね」
「だねっ」
肩と肩をとんっとぶつけ合いながら笑う二人は、いつまでもこんな日が続くと信じて疑わなかった。