中島くんは私を離さない
秘密のキス
朝、7:45
今日は淡いピンクのブラウスに白のズボン、雨が降っているから気分を上げるために明るい色を選んだ。
そしてずっとつけてるネックレスをつけて勤務先に向かう。
白鳳学園。
この辺では名の知れてる私立校で、スポーツ推薦や難関大学を目指す生徒達がたくさんいる。
まだ教師になって3年目だから毎日生徒から学んで生徒と切磋琢磨している。
「柏木先生、おはようございます」
「水野先生、おはよう」
隣のデスクの柏木先生。
シャツの第一ボタンまで締めて細身でスーツ着こなしてる生徒に厳しいけど飴と鞭をうまく使い分けてる私の中ではお手本となっている先生。
顔も奥目でまつ毛が長くて唇が厚くて女性の先生ではモテている。
「今日も雨だね、梅雨かな?」
「多分梅雨に入りましたね、ジメジメしてますから」
「早くクールビズになって欲しい、ネクタイは辛いよ」
「早く夏になって欲しいですねジメジメは嫌です」
「これから職員会議を始めます」
チャイムが鳴り10分間の職員会議。
今日の予定をざっと目に通す。
そして2度目のチャイムで教室に向かう。
2年6組、私が初めて持つクラス。
「みんなおはよう〜」
騒がしい教室が静かになってみんなが席につく。
「今日は休みは工藤くんと結衣さんね、今日は7限授業だから頑張ってね、それと今日の英語は英語教材室で授業するから移動すること、それじゃホームルーム終わります」
みんなが席から立ってまたざわざわしだす。
私も教室を去って、授業の準備をする。
「水野先生」
聞き覚えのある声。
「どうしたの、中島く、ん」
「今日も好きです」
軽く唇にキスされた。
「今日も綺麗ですね」
そう言って中島くんは教室に戻っていった。
< 1 / 70 >