中島くんは私を離さない
1日目の練習が終わってご飯を食べて各自部屋で休んでいる時。
こんな山奥だけど、歩いて10分くらいで山を降りるとコンビニがある。
お菓子が食べたくなったからコンビニに行く。
暗いから少し怖いけど、スマホのライトを頼りにして山を降りてコンビニに行って買い物をする。
部屋に戻る途中、大広間から話し声が聞こえる。
「聖弥くん、どうしても付き合えない?」
この声が聞こえて足が止まる。
こんなことしてはいけないけど気になって忍び足で大広間のドアに近づいて話を聞く。
「何度も言ったけど俺は無理、付き合うつもりはないから」
「じゃ、なんで私と花火見に行ったり一緒に課題したりしてくれたの………?」
この声は沢口さん。
「それは沢口がついてくるから」
「私のこと邪魔だと思ってるの?」
「そうだな、それにウザい」
「えっ」
「そんなに俺が好きなの?好きだからって相手のこと考えないでずっとひっつけば自分のものになるとでも思った?」
「………」
「俺の友達が話せないくらいまで一緒にいて女子はいじめて、そんなことをするのが最低だと分からない奴のことを好きになれると思う?」
沢口さんそこまでしてたんだ…
担任なのに知らなかったし、そこまでするのは愛情ではない。
中島くんの言い方は冷たいけど正論を言ってる。
「聖弥くんはモテるから誰かに取られたくなくてずっと一緒にいたいだけだよ……」
「それって相手のこと信じてないよな」
「………」
「本当に好きならアプローチも大事だけど、待つことも大事だろ、好きと執着は別物だから、沢口は僕がが好きなんじゃなくて執着してるんだと思う」
「分かったよ、、聖弥くんのこと諦める」
「分かった」
沢口さんは啜りながら大広間から出て行く。
バレないように自動販売機の横に隠れる。