中島くんは私を離さない



「ここは……」
「僕の部屋です」



「中島くん1人部屋なの?」
「くじ引きでたまたま」


「そうなんだ」


服がしっかり畳まれてて物が散乱してない。


「って、なんでここに連れて来たの!?」


ちゃっかり部屋に入ってるのおかしい。


「話の続き」
「あー、そうだね、それで、謝りたいことは?」


「部室に連れ込んだこと、怖かったと思う、今思えばやりすぎた」
「もう大丈夫だから、気にしないで」



私が中島くんを避けすぎたのも原因。


生徒として普通に接すればよかったのに、それすら出来なかったから。


私情を持ち込んで、好きにならないで欲しいという気持ちだけで中島くんを避けてしまったから私もダメなところはある。


「分かりました、でも気になることが1つ」
「うん?」


「好きな人って九条先生?」



花火大会で九条先生と一緒にいたところを見たから言ってることなんだろうけど、好きかどうか言われたら、好きでもないけど嫌いじゃない、、


だから好きな人と言われたらNOだけど、これを素直に言っていいのか分からない。


自意識過剰かもしれないけど、、、


もし中島くんの気持ちが変わらないのなら、諦めて欲しい気持ちは変わらない。


「そうだよ」
「本当に?」



「うん、先生として尊敬できるし1人の人間としても好きなの」
「そうですか…」



「と言っても諦めませんけどね」
「なんで私なの?」


前から気になっていたこと。


「……なんで諦めないの?なんで私を好きになったの?」
「内緒」


そう言って中島くんは笑って誤魔化した。


今の中島くんの笑顔には何故か触れてはいけない気がしてこれ以上聞かなかった。

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