中島くんは私を離さない




「僕の母、小1の時に自殺したんだ」
「え?」


いきなり、聖弥からの告白。


聖弥は空を見ながら話を続ける。


「僕が住んでるマンションの屋上から飛び降りて、屋上に登って母がいたところを見たらパニックなってそれから高所恐怖症になった」
「………」



「でも、やっと克服できたかも、今までどんなに挑戦してもダメだった」
「そうなんだ、意外になんでも出来そうなイメージあったけど弱い部分もあったんだね」



「だから今まで誰にも言ったことない」
「私に言ってくれた理由は?」


「なんとなく?初めて自分を出せると思ったから?かも」
「疑問系だから信じられない」



「本当に思ってる」


聖弥は私の隣に座って、抱きしめられた。


「どうしたの?」
「ありがとう」


「なにが?」
「高所恐怖症克服できたの瑠璃のお陰だから」


「それは聖弥が頑張ったからだよ」
「でも頑張れたのは瑠璃のお陰」


「はいはい」


体を離そうとすると、



「観覧車が終わるまでこのままでいたい、もし嫌なら倒れた時みたいにキスしてもいいよ?」
「このままでいいよ」


「…フッ……分かった」



観覧車が1周するまでずっと抱きしめられていた。


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