中島くんは私を離さない
家の前まで着いた。
「ここまでありがとうね、また学校で、、、あ、、学校では瑠璃呼びやめてね」
「流石に分かってる、後さ、最後に言いたかったんだけど」
「うん?」
「僕はずっと瑠璃が好きだから、瑠璃が振り向くまで待つから。今は生徒じゃないから言えた。」
「……前にも聞いたけど、なんで私を好きになったの?」
「内緒って言ったよ」
「内緒しなきゃいけない理由は?それに内緒って言われるほど気になる」
そう言ったら聖弥が大笑いした。
「アハハハハ!!」
なにがおかしいのかな、結構勇気出して言ったのに。
もしかして、バカにされてる??
「覚えてないの?」
「なにが?」
「1年前、1人でめっちゃ酔って公園で寝そべってたの僕が見つけた」
「え?」
私、結構お酒に強い方なのに、酔った記憶がない。
1年前…
なにがあったんだ、1年前…
でもほぼ毎日飲んでるし酔った後の記憶なんかあるはずない。
「聖弥の記憶違いなんじゃない?」
「いくら学年違いでも学校の先生の顔を見間違える訳ないし、前住んでたマンションまで僕が送ったことも覚えてない?」
「全く覚えてない」
「その時めっちゃ誰かの愚痴をこぼしてて、うるせえ、顔見たくねえ!とか言ってたけど普段見てる先生とは違う顔が可愛かったからそこから気になったっていうのがきっかけ」
「そうなんだ…」
「思い出せない?」
「うん…」
「なんかドレス着てたよ」
「ドレス?」
「あ、あー!」
「思い出した?」
「高校の同窓会……」
7、8年ぶりに高校の同級生に会ったのはいいんだけど二次会の居酒屋でまさかの元カレがいて、それで気分が悪くなり酒で忘れようとしてめっちゃ飲んだんだ…
1人で帰ったと思ってたのに、まさか、聖弥から送られていたとは…
酔ってるところを見られたなんて恥ずかしいが過ぎる…
「瑠璃が全く覚えていなかったからそのままでもいいかなと思って内緒にしておいたけど、思い出せてよかった」
「早く言って欲しかった、本当恥ずかしい!」
「そういうところが可愛いから好きになった」
「もう可愛い可愛い言わなくていいよ」
「照れてる瑠璃が可愛い」
「もうこの話はおしまい!夜も遅いし気をつけてね、じゃあね!」
勢いよく部屋のドアを閉めた。
恥ずかしいけど、楽しかった。