中島くんは私を離さない
看病



ジメジメした梅雨が終わって好きな夏がやってきた。


でもそんな夏に風邪をひいてしまった。



テスト期間と模試対策、部活の指導などで色々重なりすぎて睡眠を削っていたから、それで体調を崩してしまった。


1日でも早く治したいけど熱が続いて喉の痛みを治らずに3日目。


毎日のように副担任の坂町先生から業務連絡と励ましのメールが来る。



中年の先生だけど気さくで親切に悩みを聞いてくれるしクラスを持つことについての不安も消してくれる。



いい先生達に囲まれて本当に恵まれている。


早く風邪を治さないといけないけど今はゆっくり休んでエネルギーを蓄えておかないと。


今日もずっと寝て1日が終わる。


ベッドから体を起こして何かを作る。


ずっとおかゆだったからもう飽きた。



---ピンポーン


ピンポンピンポンピンポーン


このチャイムの押し方は、、、


「里帆!その押し方やめてって言ったよねー」
「はいはい、遅いけどお見舞いに来たよ〜、瑠璃が好きなチーズケーキ買ってきたよ、3人分」



「3人分?」
「お客さんもう1人いるよ」


「先生、こんにちは」


ドアの後ろから姿を表したのは中島くんだった。



「なんでここに!?」
「説明するから中入るよ〜」



大学の同級生、柴崎里帆。


明るく気さくで傷つきやすい私をいつも支えてくれる親友であり同僚でもある。


なんで里帆と中島くんが…?
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