中島くんは私を離さない
里帆が帰ってドアが閉まる。
「中島くん」
「なんですか?」
「なんですか?じゃないよ、帰って」
「なんでですか?」
「生徒がここにいるのはおかしいし、1人で休みたいのー」
「でも柴崎先生が行ったのは僕と先生と2人きりでいさせるためですよ?」
「そんなの私には関係ない、私は早く休みたい」
「だから休ませてあげますから、ベッドに入っててください」
「なにするの?」
「夜ご飯作りますよ、冷蔵庫開けてもいいですか?」
「いいよ、私1人で作るから……」
「先生」
いきなり低い声をだした中島くん。
「俺に甘えてください、甘えて欲しい」
「中島くん、、、?」
「今だけでもせめて生徒だと見ないでくれますか」
「え…?」
「僕は本当に心配で来たんです、それと会いたくて来たんです、好きな人を心配するのは当たり前、僕は先生だとは今は見てないから先生も僕を生徒だと見ないで」
「わかった……」
中島くんの目を見ると強くて何かを訴えてる目をしている。
固唾を飲み込んでしまうくらい強い目をしているから逆らえない。
生徒は生徒としてしか見れない。
私が先生としてスイッチが入ってしまうからか。
でもあそこまで言われると、今だけは体調が悪いからか少し弱ってるからかもしれないけど、1人の男の子として頼ってみようかな。
恋愛感情は抜きで。
「じゃ、僕何か作ります」
「分かった、なんでも作っていいよ、食欲はあるから」
「分かりました」