アネモネ
買い物も終わり、たくまの家についた。合鍵を取

り出し、鍵を開けた。瞬間、私は自分の目に飛び

込んだ光景に驚きを隠せなかった。

ハイヒール。私が普段履かないような、その綺麗

な靴が玄関に綺麗に揃えられている。こーゆーと

きって、逆に冷静になれるのかもしれない。私の

体の温度が、一気に下がるのを感じた。私はゆっ

くり、音を立てないように家に入った。奥の部屋

から明かりが漏れている。見たくないという気持

ちに反して見なければと体が動く。
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