アネモネ
店に着くと、ミカは先についていて、早速ビール

を注文した。

「最近どーなの?たくまくんとは」

ミカに聞かれた私は淡々と

「別れたよ」と言った。

「は???まじで言ってる?」

「まじだよ、嘘なんてつかない」

「何があったのよ、あんなに仲良かったじゃん。」

「たくま浮気してたんだ」

ミカの顔が強張った。みかとわたしとたくまはサ

ークルが一緒だったため、みかはたくまとわたし

のことをよく知っている。

「あいつ、ほんと最悪だわ。ほんと、男ってなんで浮気すんだろ」

「まあ、仕方ないよ。相手はわたしなんかより綺麗で魅力的みたいだから。」

自分のことにどこか他人事で、私は本当に彼のことが好きだったのかなと思う。

ミカの目は涙目で、声も心なしかうわずっている。

「わたしがあいつと浮気相手殴ってやりたい、ここが優しいからって調子乗ってたんだよ絶対」

「そうかもしれない。でも、もう終わったんだからいいんだよ、ミカはどーなの?たつきくんとは。わたしミカには、幸せになってほしいから、たつきくんみたいないい男と結婚してほしいなー」

「うう、う、悔しいや、わたし。ここはこんないい子なのに。今日は飲もう!わたしの奢り!すみませーん!梅酒ください!」

ミカは泣きながら、お酒を追加する。その姿を見て、私はくすっと笑った。

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