あの日から僕らは


真横にあるその目は一点を見つめ

ぼーっと止まっていた


『なに考えてるの』

不思議に思い尋ねてみる



突如こちらの世界へ戻ってきたかのように

少し肩を揺らしたと思えば

「ううん、なんでもない」


そう言ってその細くて男性を感じさせない

きれいな指を左耳に持っていく


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