魔法の恋の行方・魔女の媚薬(シリーズ3 グリセラとリーディアン)
<狩猟の館・リードの部屋・9時30分>
着替え終わると
リードは香水の瓶を手に取り、
上着のポケットに入れた。
そして窓を開けた。
雲一つなくはれ上がった空と、
小高い丘が見渡せた。
その時、
強い風が吹き、リードの髪を揺らした。
<悲しみ・・切ない・・愛おしい>
切れ切れに思考が浮かぶが、
形にならない。
うずくような、鼻の奥がツンとして涙があふれてくる。
<どうしてなのか・・わからない>
「リード!早くしろよ!」
窓の下でクリスが手を振っている。
すでに馬車が、玄関口につけられている。
リードはこぶしで目をこすり、
窓を閉めた。
そしてポケットの中の香水瓶を、
確かめるように触れた。
<もう一度ここに来よう・・>
そう思うと、少し心が軽くなる気持ちがした。
リードは部屋を出た。
いつもの日常がはじまる。
リードが部屋を出た直後だった。
グリセラが書き写していた、
<グスタフ皇国の皇帝と魔女の恋物語>
の紙が書棚から落ちた。
着替え終わると
リードは香水の瓶を手に取り、
上着のポケットに入れた。
そして窓を開けた。
雲一つなくはれ上がった空と、
小高い丘が見渡せた。
その時、
強い風が吹き、リードの髪を揺らした。
<悲しみ・・切ない・・愛おしい>
切れ切れに思考が浮かぶが、
形にならない。
うずくような、鼻の奥がツンとして涙があふれてくる。
<どうしてなのか・・わからない>
「リード!早くしろよ!」
窓の下でクリスが手を振っている。
すでに馬車が、玄関口につけられている。
リードはこぶしで目をこすり、
窓を閉めた。
そしてポケットの中の香水瓶を、
確かめるように触れた。
<もう一度ここに来よう・・>
そう思うと、少し心が軽くなる気持ちがした。
リードは部屋を出た。
いつもの日常がはじまる。
リードが部屋を出た直後だった。
グリセラが書き写していた、
<グスタフ皇国の皇帝と魔女の恋物語>
の紙が書棚から落ちた。