魔法の恋の行方・魔女の媚薬(シリーズ3 グリセラとリーディアン)
王宮・3年後 31-34ページ
<グスタフ皇国王宮・皇帝の執務室・3年後>
リードは時折、あの狩猟の館に行っていた。
自分でもわからないが、
なぜか<行かなくては>という気持ちに突き動かされる。
あの丘の上はいつも風が強い・・・ただそれだけなのだが・・・
その頃にはリードは、皇帝の第一側近として仕えていた。
ある日、リードは皇帝の執務室に呼ばれた。
「まだ公にはできないが、魔女の国から使者が来て、
薬草について交易の話を持ち掛けてきたのだが・・」
そう言って、皇帝が机の上の書類に目をやった。
「むこうは私と、直接話をしたいと要求している」
リードは軽く礼をして、皇帝を見た。
「私が段取りを取ることで、よろしいでしょうか」
皇帝は少し気遣うように
「リーディアン、明日後に結婚式を控えているのだろう?
お前は忙しいのではないか?」
「いえ、ご心配なく。
私のほうで準備をいたします」
リードは即答した。
皇帝はリードに書類を渡した。
「急な話だが、明日だ。場所は狩猟の館になる。
移動を含めて、日帰りで大丈夫だろう」
リードは書類に目をやり、そして皇帝に一礼して退出した。
<あの狩猟の館か・・>
なぜか胸が痛む。
明後日は結婚式だ。
相手は家柄も申し分ない、美しく優しい、教養もある貴族の娘だ。
皆が祝福してくれる。
だが、何か、どこかで喜べない自分がいる。
何か違う・・と感じていた。
<魔女の媚薬>の香水は、一時の満足は与えてくれたが・・・
時間がたつとむなしい。
リードは時折、あの狩猟の館に行っていた。
自分でもわからないが、
なぜか<行かなくては>という気持ちに突き動かされる。
あの丘の上はいつも風が強い・・・ただそれだけなのだが・・・
その頃にはリードは、皇帝の第一側近として仕えていた。
ある日、リードは皇帝の執務室に呼ばれた。
「まだ公にはできないが、魔女の国から使者が来て、
薬草について交易の話を持ち掛けてきたのだが・・」
そう言って、皇帝が机の上の書類に目をやった。
「むこうは私と、直接話をしたいと要求している」
リードは軽く礼をして、皇帝を見た。
「私が段取りを取ることで、よろしいでしょうか」
皇帝は少し気遣うように
「リーディアン、明日後に結婚式を控えているのだろう?
お前は忙しいのではないか?」
「いえ、ご心配なく。
私のほうで準備をいたします」
リードは即答した。
皇帝はリードに書類を渡した。
「急な話だが、明日だ。場所は狩猟の館になる。
移動を含めて、日帰りで大丈夫だろう」
リードは書類に目をやり、そして皇帝に一礼して退出した。
<あの狩猟の館か・・>
なぜか胸が痛む。
明後日は結婚式だ。
相手は家柄も申し分ない、美しく優しい、教養もある貴族の娘だ。
皆が祝福してくれる。
だが、何か、どこかで喜べない自分がいる。
何か違う・・と感じていた。
<魔女の媚薬>の香水は、一時の満足は与えてくれたが・・・
時間がたつとむなしい。