魔法の恋の行方・魔女の媚薬(シリーズ3 グリセラとリーディアン)
<狩猟の館・次の日・13時>
その日はよく晴れていた。
内密という事で
皇帝と側近も3名で、商人の姿をしている。
狩猟の館に着くと、リードはすぐに客人を迎える準備を始めた。
約束の時間10分前に、
魔女の国の馬車であろう、正面玄関につけられた。
馬車から、若い男が最初に降りてきた。
髪が赤紫色で、金の瞳を持つ美しく優雅な男だ。
リードは急いで、正面玄関の扉を開けた。
「私はイーディスと申します。
魔女の国の使者でございます」
その男はリードに向かって、丁寧に頭を下げた。
「本日はグランビアの当主も来ているのですが、ご案内いただけるでしょうか」
どこかで聞いたことがある声・・
リードは一瞬戸惑いがよぎったが、すぐに
「私が皇帝陛下の側近、リーディアン・レジアと申します。
ご案内いたしますので・・
どうぞ、こちらへ」
イーディスは馬車の扉を開けて、
手を差し伸べた。
降りてきたのは深くベールをかぶった女性だった。
リードが応接室に案内をすると、
皇帝はすでに着席をして待っていた。
グランビアの当主の女性は、皇帝と向き合うように座った。
リードは皇帝の後ろに立ち、
イーディスも同じようにグランビアの当主の後ろに立った。
まず、口火を切ったのはイーディスだった。
「この度の会談を、ご了解いただき誠にありがとうございました。」
皇帝がうなずいた。
イーディスはそれを確認すると、
続けた。
「皇帝陛下、それでは私からご説明申し上げます。
今回の交易については、
皇国国内の薬草採集を許可していただく代わりに、
我々の薬草治療の処方を、いくつかお渡ししたいというご提案です」
イーディスは皇帝の前に、何枚かの書類を広げた。
「詳しい内容は、この資料にありますので、ご検討のほどお願い申し上げます」
皇帝はリードに合図をすると、
リードはすぐに答えた。
「本日は即答できかねるので、
検討する時間をいただきたいのですが」
皇帝はうなずいた。
イーディスはそれを予想していたかのように
「もちろんです。期限は決めさせていただきますが・・」
その時、グランビアの当主の指先が少し動いた。
イーディスはそれに気が付くと
「申し訳ございません。当主のご気分がすぐれないようで・・
少し休憩をいただいてもよろしいでしょうか」
グランビアの当主がうつむくのを見て、皇帝はあわてて言った。
「ああ、もちろんだとも・・
リーディアン、すぐに客間にご案内をするように」
イーディスはリードの顔を見た。
「どうぞ、ご案内いたします」
グランビアの当主は立ち上がり、
イーディスはその手を取った。
「それでは失礼いたします」
イーディスは、笑顔で皇帝に挨拶をした。
皇帝は、グランビアの当主が退出するのを確認すると、別の側近に命じた。
「お茶の準備をしてくれ」
その日はよく晴れていた。
内密という事で
皇帝と側近も3名で、商人の姿をしている。
狩猟の館に着くと、リードはすぐに客人を迎える準備を始めた。
約束の時間10分前に、
魔女の国の馬車であろう、正面玄関につけられた。
馬車から、若い男が最初に降りてきた。
髪が赤紫色で、金の瞳を持つ美しく優雅な男だ。
リードは急いで、正面玄関の扉を開けた。
「私はイーディスと申します。
魔女の国の使者でございます」
その男はリードに向かって、丁寧に頭を下げた。
「本日はグランビアの当主も来ているのですが、ご案内いただけるでしょうか」
どこかで聞いたことがある声・・
リードは一瞬戸惑いがよぎったが、すぐに
「私が皇帝陛下の側近、リーディアン・レジアと申します。
ご案内いたしますので・・
どうぞ、こちらへ」
イーディスは馬車の扉を開けて、
手を差し伸べた。
降りてきたのは深くベールをかぶった女性だった。
リードが応接室に案内をすると、
皇帝はすでに着席をして待っていた。
グランビアの当主の女性は、皇帝と向き合うように座った。
リードは皇帝の後ろに立ち、
イーディスも同じようにグランビアの当主の後ろに立った。
まず、口火を切ったのはイーディスだった。
「この度の会談を、ご了解いただき誠にありがとうございました。」
皇帝がうなずいた。
イーディスはそれを確認すると、
続けた。
「皇帝陛下、それでは私からご説明申し上げます。
今回の交易については、
皇国国内の薬草採集を許可していただく代わりに、
我々の薬草治療の処方を、いくつかお渡ししたいというご提案です」
イーディスは皇帝の前に、何枚かの書類を広げた。
「詳しい内容は、この資料にありますので、ご検討のほどお願い申し上げます」
皇帝はリードに合図をすると、
リードはすぐに答えた。
「本日は即答できかねるので、
検討する時間をいただきたいのですが」
皇帝はうなずいた。
イーディスはそれを予想していたかのように
「もちろんです。期限は決めさせていただきますが・・」
その時、グランビアの当主の指先が少し動いた。
イーディスはそれに気が付くと
「申し訳ございません。当主のご気分がすぐれないようで・・
少し休憩をいただいてもよろしいでしょうか」
グランビアの当主がうつむくのを見て、皇帝はあわてて言った。
「ああ、もちろんだとも・・
リーディアン、すぐに客間にご案内をするように」
イーディスはリードの顔を見た。
「どうぞ、ご案内いたします」
グランビアの当主は立ち上がり、
イーディスはその手を取った。
「それでは失礼いたします」
イーディスは、笑顔で皇帝に挨拶をした。
皇帝は、グランビアの当主が退出するのを確認すると、別の側近に命じた。
「お茶の準備をしてくれ」