彼とのケンカは夕暮れ時に。
私は星を見るのが好き。
望遠鏡とか双眼鏡とか、そんな大げさなのじゃなくて、単純に、薄暗くなってきた空に少しずつ光が見え始めるのが好きで、そんな時間くらいから星を眺めるのが好きなだけ。
この日も天気の良い秋の日だった。
「あのさ、話がある。」
放課後、付き合って半年の彼に呼び出された。
「なぁに?」
帰り道にたまに通る、川のそばの遊歩道。
彼はあまり怒らない。
今日も多少我慢しているらしく、無理やり笑っていた。
「あのさ、最近お前頑張り過ぎ。お前といられる時間が全然ないじゃん…。」
「ごめんね……」
私はそれしか言えない。彼の表情は次第に真剣になっていった。
「…距離、置く…?」
彼は楽観主義とかいうタイプ。しばらくすれば何事もなんとかなる、と思っている。
おまけに頭が良くて器用だから、なんでも一通りできる。
それに比べて私は…
「…いま、いいところまで来てるの…。生徒会も、文化祭の実行委員も、せっかくだから頑張りたい…。私には取り柄がないんだよ?秋山君みたいに出来ないから…」
「じゃあ俺は全部済むまで、一緒にいても放っておかれるのか?」
「だって…」
最近多くなってきた言い争い。 彼はどうせいつも、しばらくすればなんとかなると思うだけ。
どうせ今回は、あまりにかまってもらえないからイライラしてるんだ…
「いつも相談も無しで始めてさ、抱え込んで、言うのは『忙しい』だけかよ…!!しばらくしたら平気かと思ってたけどさ……もういい、好きにしたら…!」
彼のいつも簡単に言う『時間を置けば』みたいな言葉。
最近の忙しさも相まってイライラし、私は止まらなくなってしまった。終いには、
「私ももういい…わかってくれないなら、秋山君に悪いから…!」
彼はこれ以上は面倒と思ったらしい。
何も言わずに私の前から立ち去った。
その日の夕方の空にも星が見え始めた。私はそれを、今日は一人で見ていた。
いつも、なるようになる、ってばっかり…
自分は何でもできるからいい。でも、私はどうなるの?
学校に行っても、彼とは顔を見もしないまましばらく過ごした。
望遠鏡とか双眼鏡とか、そんな大げさなのじゃなくて、単純に、薄暗くなってきた空に少しずつ光が見え始めるのが好きで、そんな時間くらいから星を眺めるのが好きなだけ。
この日も天気の良い秋の日だった。
「あのさ、話がある。」
放課後、付き合って半年の彼に呼び出された。
「なぁに?」
帰り道にたまに通る、川のそばの遊歩道。
彼はあまり怒らない。
今日も多少我慢しているらしく、無理やり笑っていた。
「あのさ、最近お前頑張り過ぎ。お前といられる時間が全然ないじゃん…。」
「ごめんね……」
私はそれしか言えない。彼の表情は次第に真剣になっていった。
「…距離、置く…?」
彼は楽観主義とかいうタイプ。しばらくすれば何事もなんとかなる、と思っている。
おまけに頭が良くて器用だから、なんでも一通りできる。
それに比べて私は…
「…いま、いいところまで来てるの…。生徒会も、文化祭の実行委員も、せっかくだから頑張りたい…。私には取り柄がないんだよ?秋山君みたいに出来ないから…」
「じゃあ俺は全部済むまで、一緒にいても放っておかれるのか?」
「だって…」
最近多くなってきた言い争い。 彼はどうせいつも、しばらくすればなんとかなると思うだけ。
どうせ今回は、あまりにかまってもらえないからイライラしてるんだ…
「いつも相談も無しで始めてさ、抱え込んで、言うのは『忙しい』だけかよ…!!しばらくしたら平気かと思ってたけどさ……もういい、好きにしたら…!」
彼のいつも簡単に言う『時間を置けば』みたいな言葉。
最近の忙しさも相まってイライラし、私は止まらなくなってしまった。終いには、
「私ももういい…わかってくれないなら、秋山君に悪いから…!」
彼はこれ以上は面倒と思ったらしい。
何も言わずに私の前から立ち去った。
その日の夕方の空にも星が見え始めた。私はそれを、今日は一人で見ていた。
いつも、なるようになる、ってばっかり…
自分は何でもできるからいい。でも、私はどうなるの?
学校に行っても、彼とは顔を見もしないまましばらく過ごした。
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