浮気 × 浮気
そんな焦りに焦った彼を見ていると、自然と涙はおさまって、不思議と笑いがこぼれた。
「ありがとうございます、私の方こそごめんなさい」
私がそう頭を下げると、彼は優しい笑顔を浮かべた。
その後、奥にあった椅子を私に差し出し、座るように促した。
その椅子にゆっくり腰掛けると、男性は私の足に触れ、様子を見たあと、心配そうに顔を見あげた。
「足、ちょっと怪我してる…やっぱり踏まれたの?」
「あ…いやそれは…」
「ん?」
家から走ってきたのでその傷だと思います、だなんて狂ったような事は絶対に言えない……言えない。
そう思い、上手く誤魔化そうと口を開きかけた時だった。
________バンッ!
ドアが勢いよく開いたかと思いきや……
「暁(あかつき)!!!!」
金色の長い髪をした女の子が元気よく部屋に飛び込んできた。