浮気 × 浮気
招かれた罠
❁❀✿✾
「では!秋本さんと木嶋くんの歓迎を祝して〜!カンパーイ!」
雪の声が明るく響き渡り、それぞれがコップを交じり合わせる。
雪が事前に予約しておいてくれた居酒屋の個室で、私たちは2人ずつ座り、机を挟んで向かい合えるような形で座った。
必然的に私と陸が隣になって座り、木嶋さんと雪が隣合わせで座った。
「やっぱりこう見るとさぁ…本当に2人ってお似合いだねぇ?木嶋くんもそう思うよね?」
「別になんとも」
「…へぇ」
私と陸をおちょくるようにしてそう言いながら、木嶋さんと話す雪。そんな様子を、私はただ笑って誤魔化しておいた。
雪の言葉に陸はどういう顔をしているのだろうかとふと思った私は、ちらりと横目で陸を見た。
そうすると、なぜか真剣な表情でジッと雪を見つめる陸の横顔が見えて、私は思わず陸の服の裾を掴んだ。