浮気 × 浮気
そこで私はふと思い返す。
外へ電話をしに行った陸はどこにいるんだろう?騒がしいから、もう少し離れたところで電話をしてるのかな。
それとも電話終わりにトイレ?
なんて思考を巡らせながら、路地を歩いていた時、不意に奥の方から男女の会話が聞こえてきた。
話の邪魔にならないようにそっと横を通り抜けようと思いながら、そのままゆっくり歩いていると、私は聞き覚えのある声に思わず足を止めた。
雪……?
となれば、話している相手は誰?
話の内容までは理解できないものの、耳をすましていればそれが陸だということが分かった。
こんな所で2人で何を話しているんだろう。
私はそう思い、2人に駆け寄ろうかと思ったが、ふいに2人が妙な雰囲気だったことを思い出した。
頭を掠める不安と嫌な予感。
私はバレないよう恐る恐るふたりに距離を詰めた。
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