浮気 × 浮気


あまりの大きい音に驚きながらも振り向くと、そこにはさっきの男性が立っていた。


「よかった…まだいた…っ、」

「なんで…」


あんなことをして置いて、さすがに追いかけてくるはずがないと思っていた私は、予想外のことについ唖然としてしまう。


「さっきは俺の友達がごめんね。あいつ、元々ああいう言い方しか出来なくてさ…」


そう言って、また頭を下げる暁さん。


「別にいいですよ、間違いじゃないんで」


ついポロリと出てしまった言葉に、しまったと口を抑えるも、時すでに遅し。

暁さんは、え?と怪訝な表情を浮かべた。


このまま言い逃げしてしまおうかとも思ったけど、どうせもう会わない人間だし、別に話したってどうもならない。

そう思い、半ばやり投げな気持ちで口を開いた。

< 14 / 236 >

この作品をシェア

pagetop