浮気 × 浮気

目覚め


❁❀✿✾


「…………明里!明里!」


遠い意識の中、白い風景の中。何度も何度もそう名前を呼ばれている事が分かった。


薄らと目を開けると目に飛び込んできたのは、眩しい蛍光灯の光。

…そして、見覚えのある顔。


「明里!明里!明里が目を覚ました!!」


その人がそう大きな声で叫ぶと、次々と私の顔を色んな人が見下ろしてきた。

まだボーッとする意識の中、ふいに手を強く握られる。


「おかえり……っ、明里」


頬に冷たい刺激を感じた。

…………わたし、生きてるの…?

徐々に良好になっていく視界と、鮮明になっていく思考。

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