浮気 × 浮気

握られた手


❁❀✿✾


「悪いな…じゃあ、また後で」

「うん、また後で!」


定時に仕事が終わった私は、昼休みに陸から不意に声をかけられて約束した時間までどこかで時間を潰す事にした。

陸曰く、あと1時間もすれば残っている仕事をすべて片付けられるらしい。

最初は私を待たせる事が悪いと思ったのか、陸に先に帰るよう促されたが、久しぶりのディナーだったので、待つことにした。


特になんの用事もなかった私は、自社の近くにあるカフェで待とうと行く先へ体を向ける。

けれどそんな私の目に、ふと可愛らしいキッチンカーが飛び込んできた。

私はそのキッチンカーに吸い寄せられるかのように近寄ると、立てかけてある黒板のメニューに目を通す。


ここはどうやら唐揚げ専門らしい…。

定番の唐揚げや、カレー味の唐揚げ。
また珍しいものでいえば、キムチ味の唐揚げなんていうのもあった。

私はその珍しさに釣られて、キムチ味の唐揚げ3個串を1つ購入した。

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