浮気 × 浮気
ディナー前だけど…唐揚げは別腹だし!
なんて思いながら、私はそれを手に近くにあったこじんまりとしたガーデンテーブルセットに腰掛けた。
お腹がちょうど空いていた私は、席に着くや否やすぐに唐揚げを口にした。
その瞬間、溢れ出る肉汁とサクッとした熱々の衣につい頬っぺたが落ちそうになる。
キムチ味だから辛いのかと思っていたけれど、甘党な私でも食べられるマイルドな辛さで美味しかった。
もう大分と日が暮れているのに、こんなに美味しい唐揚げがまだ残っていたことへ驚きながら、私はごちそうさまと手を合わせた。
そして、満足した私は席を立ち上がる。
しかしそんな矢先、不意に顔を固い何かへぶつけ、その反動で不本意にも再び席におしりを落とす。
いたた…なんてぶつけた頭を片手で抑えながらゆっくりと顔を上に向けると、そこには3人組の男性たちの姿があった。
恐らく私がぶつかったのは、金髪の背の高い少年だ。…見るに、大学生くらいだろうか。