浮気 × 浮気


❁❀✿✾


翌日。

昨日の陸の様子が心にしこりになっているものの、私は最近朝の日課になっている雪へ電話をかけた。
……まぁ、出てくれる訳では無いけれど。

何も言わずに縁が切れてしまったことが悲しくて、少しくらいは声が聞きたかった。


少し感傷的になりながらも、ニュースを見ながら朝ごはんを食べる。ちなみに、私はパン派だ。


『午前中は心地よい晴れが続きますが、夕方からは大雨になる予報です。念の為、折り畳み傘を持っておくと安心ですね。』


朝の顔であるアナウンサーのお姉さんがそう言ってさわやかに微笑んでいる。

今日は雨が降るのかぁ…折り畳み傘用意しなきゃなぁ〜、なんて憂鬱な気分になりつつ、最後の一口を口に運んだ。


なんて呑気にしていると、家を出る時間までさし詰まっている事に気づいた私は、使った食器を急いでシンクへ置き、今日の支度を急いだ。


最近はいつも陸が家まで迎えに来てくれていたけれど、今日はどうやら早番らしく迎えに来れないと昨夜連絡があった。

だから今日は1人。

私は淡々と最寄り駅へと向かうと、会社へ急いだ。


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