浮気 × 浮気
私がそう言葉を放った瞬間、陸の目から一滴の雫がスっと零れ落ちた。
「明里が……あいつの事を好きだからだろ?」
「なにいって、」
「明里は……っ、本当に俺が好きなのか?」
初めて見る陸の涙に、私は正直戸惑ってしまった。
陸のことは好き、大好き。
……なのに、なんでその言葉が口から上手く出てこないのだろう。
陸は何かを悟ったかのようにため息をつくと、地面に視線を落とし、静かに口を開いた。
「……6年目の記念日、何があったのか伝えるよ。」
「……きねん、び?」
特に何も出来てない…そうじゃなかったの?
陸の意味のわからない言葉に、私は唖然と言葉をそう漏らした。