浮気 × 浮気
ーーーーーーボキ…ッ
「え」
そんな鈍い音と同時に、握っていた木製のドアノブがやけに軽くなったのを感じた。
嫌な予感に汗が背中を伝う。
私は徐々に下の方へ視線を下げながら、唾を飲んだ。
そうすれば、私が予感していた最悪の光景が目に飛び込んできた。
「……嘘でしょ…」
私の手に握られているのは、折れた木のドアノブ。……終わった、ここから出れない。
一瞬頭が真っ白になったが、私は必死に出れそうな窓を探した。
しかし5つもある窓は全部飾りのようなもので、開けれる仕組みにはなっておらず…。
叩き割るにしても無駄に頑丈すぎて、不発に終わる。