浮気 × 浮気
完全に詰んだ……。
私はその場にしゃがみこみ、頭を抱えた。
迷った挙句、訳の分からない小屋の中に閉じ込められるなんて…。
私、もしかしてこのままここを出れず、遺骨となって発見されるんじゃ…。
体がブルっと震えた。
私はそんなマイナス感情を吹き飛ばすかのように、頭を左右に大きく振ると、パンっと手を叩いて立ち上がった。
…………が、しかし。
「え、」
急に辺りが暗くなり、思わずそんな間抜けな声が漏れた。
そしてハッとする。
もしかして……
私は手のひらに握られている携帯へと恐る恐る視線を落とした。
そうすれば、真っ黒な画面が目に入って、私は必死にボタンを押したが、全くもって機能せず…。
「…充電切れてる……」
あぁ、だめだもう。
さっきまで芽生えてきつつあったポジティブ感情が一気に消え去った。
ライトがないなんて…夜になったらこの小屋は確実に真っ暗だ。
何があるかも分からないのに…。
急に大きな不安に襲われ、私はまたその場に蹲るようにして座り込んだ。