浮気 × 浮気


何かあったらすぐ逃げられるように、小屋の扉までとろとろと足を進め、背中をくっつけた。

そして、扉に体を預けたまま、ずるずると床に腰を落とした。


何か考えようとすれば、嫌なことばかり思いついてしまう。今の私にとって何かを考えることは、かえって自分を追い込んでしまう事だと冷静に思った。


日が暮れていくにつれてひんやりとしていく空気に私は体を少し震わせる。

なんだか体が重くて、頭も痛い。
喉もイガイガして、身体中が痛む。


次第に落ちていく意識と瞼。
私はまるで気を失うかのようにして、意識を手放した。


< 230 / 236 >

この作品をシェア

pagetop