浮気 × 浮気
そんな時、ふと頭をある言葉が過った。
ーーー〝「俺と、浮気しようよ」〟
陸がその気なら、私だって同じことをしてやる。陸にも、この気持ちを味あわせてやる。
私は怒りで震える拳にぎゅっと力を込めた。
そして、何とかいつものように笑顔を作る。
「そうだよね、陸に限って何も無いよね。ごめんね?変なこと聞いちゃって!同じ職場で働けるの楽しみにしてる」
私の中の善意はもう既になかった。
陸なんか、大嫌い。
その一心で、私はその日陸を送り出した。
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