浮気 × 浮気


……と、そんなときだった。


「裸足?」

「ひゃ!?」


急に耳元で囁かれ、体がビクリと飛び跳ねた。


咄嗟に声の方に振り向くと、「そんな驚かないでよ」と苦笑いをした男性が立っていた。


暗くてよく顔は見えないけれど、見た感じ20代前半くらいの若い男の人だと言うのは、何となく雰囲気でわかった。


正直あまり関わりたくなくて、何も言わずに立ち去ろうと彼に背中を向けた矢先、手首を握られ、足をとめられる。

と、その瞬間、何かを考える隙もないまま、グイッと後ろに引かれた。

抗う余地もなく、ただ彼の思うがまま引っ張られていく。


そして、そのまま手を引かれて連れてこられたのは、さっきのところとは打って変わった明るく、広々としたワンルームだった。


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