浮気 × 浮気
私の言葉に視線を下げた木嶋さんは、少し間を開けた後、徐に口を開いた。
「俺が認めてしまえば丸く収まる話だったし、犯人探しするのも嫌だったんで。」
いつもとは違う沈んだ声に、胸がきゅっと痛む。……木嶋さんは誰かによって陥れられた。ミスを擦り付けられたんだ。
まだ短いけれど、真面目に頑張っている事は教育係である私がよく知っている。
そんな木嶋さんが陥れられた事に腹が立って仕方がなかった。
でも、教育係の明里さんにも迷惑かけてしまったことは申し訳なく思ってます」
「木嶋さん」
そう名前を呼べば、少し涙が滲んだ木嶋さんと視線が絡まった。
私は思わず木嶋さんの手を掴むと、自分の方へ引き寄せた。