浮気 × 浮気
私のそばを怪訝そうに見つめながら通っていく人達に気がついた私は、こうしちゃいられないと足に力を入れた。
だけど……
「……った、」
その瞬間、足に凄まじい痛みが走った。
………どうしよう、このままじゃ立てない。
そう思って辺りを必死にキョロキョロするけれど、特に力になりそうなものはない。
自分の考えなさと不甲斐なさと大きな不安に駆られていたそんな時。
「…………っわ!?」
あろう事か急に体が宙に浮いたのだ。
突然のことに恐怖で咄嗟に目を瞑る。
そして恐る恐る目を開けば、私の視界に入ったのは、呆れたような表情をした木嶋さんだった。