。。折れた羽根、虹の架け橋。。③
「ーー純白ちゃん」


あ。

ホッ、とした顔をした大雅くん。
私を見つけて、歩いてくる大雅くんの足取りも今はもうしっかりしている。

私に伸ばされた手は大きくてーー
頭を撫でる大雅くんは年下を忘れてしまうぐらい大人びた青年になっていた。

「私、子どもじゃないよーーっ」


私のが身長少し高いのに、小さな子どもにするみたいに頭を撫でてくる大雅くん。

急に大人びて見えて、ドキドキが止まらなかった。

「だけどさっき、泣いてた」



あ。



私、過去のトラウマが抜けなくて
重なって見えてーー。

泣きたくないのに
"誰かを"失うのが怖くて
自然と出てきた涙。

「俺は絶対に居なくならないからーー。
約束ね」



指と指絡めて、約束したーー。
小さな頃にした指切りげんまんを思い出した。



聞かないーー。
私が泣いた理由。

意味不明に泣いて、動けなかった私。

空手してたのに、誰かを守るために始めたのに、力を発揮出来ずに、守られただけ。

私はそれが嫌いだった。

なのにーー。




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