。。折れた羽根、虹の架け橋。。③
なでなで。

なでなで。


ずっと撫でられる心地よい何か。
"安心"してーー心地よくて私のが年上なのに、小さな子どもみたい。




「おい」






低い低い声に振り向いたら、怖い顔をした類。


類に聞かれた質問。
答えて無かったーー。


だけど何故か類は悲しい顔をした。



「そう言うことかよーー」



類?

小さな時からずっと弟みたいな存在の類。
早産で生まれた小さかった類。
今は、私の身長を越して大きくなった類は
いつもそばに居て守ってくれていたーー。


「お前ら帰るぞーー」


陽気なパパ。
今絶対、空気読んだ。

パパの声に私達は歩き出す。
類も何も言わなかった。


大雅くんの手を握って、
類の手を握った私は
歩き出したーー。


せっかく、出会えた出会いをこんなことで失いたくないから。

「私まだこのままで居たいの」

せっかく出会えたんだから、今はまだこのままで。


好きとか嫌いとか、
確かな答えは今、出す必要はない。



「帰ろう!!
類、お肉が食べたいよ!」


今はまだこのままでーー。




「それならパパに言えよ!
俺は作れん」


類の腕に手を絡めて、仲良く歩いた時。
視線に気づいた。

大雅くんーー?


何?










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