。。折れた羽根、虹の架け橋。。③
「あげは、はさ。大切な人の大切な人だよ。
そりゃ龍神が守ってきた姫さんだし。
お前が生まれる前から、俺には明日咲だけだよ」


優しくあの父さんが、小さな子どもをあやす様に頭を撫でた。
懐かしい優しい手。

小さな俺が生まれる前から父さんは
とっくに終わった恋だって笑い話にして

良い思い出だったーー、と笑った。



明日咲だけー。。




嬉しかったーー。

母さんを大切に思う父さんがーー。



「母さんが帰ってきたら、純白ちゃん家にみんなで行こうね」



いつか、こんな日が来るなんてーー。



龍神の久しぶりの復活祭が


突然、なんの前触れもなく訪れた様な感覚に囚われた。




「ただいま」




柔らかい声がリビングに入ってきた。






「あれ、2人して珍しいわね。
仲直りしたの?」



母さんーー。

仲直りって、、


「俺達、ケンカしてなかったと思うんだけど、って何?」



俺の顔を見て驚いた顔をした母さん。
ケンカして無かったよな?、って顔を横にいた父が笑った。





「あなた、恋をしたのね」






え!



突然、なんの前触れもなく母さんは話すから、俺はとにかくビックリした。



どこから"恋"とかの話になるの?



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