【完】狂犬は欲望中毒。
「随分余裕そうだな、左和季」
「相変わらずムカつく奴だ」
「上の奴らがお前にやられたせいで、瞑静はほとんど機能してないんだよ。事実上解散だ。
だから俺らの恨みは私情だ、ぜってぇ許さねえ」
「……」
喧嘩を先に売ってきたのはお前たちなんだが……。
随分と身勝手な言い分に、呆れてため息すら出てこない。
上のやつがいない今、瞑静の残党はまた族を持ち直すために
集会に紛れて隙をつき、威力のある奴を叩きたいところだろ。
大方、残った奴らでやっていくためにも
まずはこの集会で暴れてやろうって魂胆か。
俺さえ倒せば、こいつらにとっても他の族への見せしめにもなるだろうしな。