【完】狂犬は欲望中毒。
左和季君の気配がある部屋は、静けさの中に緊張が混じっていて眠れない夜を過ごした。
おかげで朝は寝不足。
洗面台の鏡を見ると、ハッキリと目の下にはクマができていて左和季君に意識して眠れなかったことバレてしまうんじゃないかってドキドキした。
朝が弱いのか、あれだけ迫ってきた昨日とは比べものにならないくらい左和季君は無口で。
私を学校の近くまで送り届けてから、学校にちゃんと行ったのかは謎だけどバイクを走らせ去っていった。
「……」
あれ?次どんな顔して会えばいいんだろう。
左和季君がいなくなって数分後には、教室の一番後ろにある自分の席で空でも眺めていると。
早速思い浮かぶ左和季君の姿に顔が熱くなる。