【完】狂犬は欲望中毒。
『好きな女とふたりっきりで我慢できるような男じゃねーんだわ、俺は。』
昨日、言われた言葉を思い出し、クラスメートに見られたくないほどの顔の熱さに限界を感じ机に突っ伏し表情を隠す。
好きって言った……絶対言った。
あれって告白なの?
それとも"人として"好きってこと?
違う……あれは絶対"そういう"意味だよ、うん。
懐かれてるって分かってたけど
私も鈍感じゃないからさすがに気づくって。
「どっ、どうしよう」
次……ほんとどんな顔して会えばいいの。
いっそのこと会わない?
いや……それは絶対に嫌だ。
なんでそんなこと思うんだろう?
会いたい理由が見つからない。
けど、約束とか特別な理由がなくなって
左和季君には会いたいし、顔が見たい。
目を合わせて、喋って。
なんだろう……ときどき自分から左和季君に触れたくなる時がある。