【完】狂犬は欲望中毒。






左和季君の強引なはずなのに、甘さだけが全身に広がる言葉に心臓の高鳴りは度を超えた。



これ以上、なにも言えない私に
左和季君は手を繋ぎ直して、引っ張る様にこの場を後にした。















「お邪魔します……」



さっきまで居た土手から蛇狼のコンテナに来るまで、何分掛かったんだろう。



左和季くんのバイクの後ろに乗って走る夜の町は、建物の数だけ光があって、目の奥がチカチカとまだ輝きが身体の中に残ってる。


左和季君は私をマンションまで送らず
「寄り道してけ」と蛇狼のコンテナまで連れてきてくれた。



私もまだ左和季君と一緒に居たかったから嬉しいけど。


さすがに好きな人と夜遅くまで一緒にいるわけにもいかないから、さっきから時間が気になってしょうがない。



「寄り道って言っても……なんでコンテナなの?」


「ここなら、お前に手出さずに話せそうだしな」


「……っ!?」


左和季君ってば、本当に思ったことすぐ口に出しちゃうよね……。


どう反応していいか分かんないよ。




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