【完】狂犬は欲望中毒。
だから、私には左和季君が甘すぎるんだってば。
頭がクラクラする。
目の前にいる左和季君しか感じ取れなくなっちゃいそうで怖くなるの。
「……っ」
ふと、左和季君の親指が私の唇に触れる。
真っ直ぐと綺麗な顔に見つめられ、ボーッとしちゃう。
左和季君に酔ってるみたい。
どうしてだろう。
さっきまで、抵抗できてなのに。
全然できなくなってる。
逆に触れてほしいって自我さえ芽生えてきた。
「……お前、今自分がどんな顔で俺を見てるのか分かってんのか」
「……知らな、」
「物欲しそう」
「……っ」
「あっ、顔また赤くなったな。」