【完】狂犬は欲望中毒。
左和季君はいつも私を引っ張ってくれるから
同い年に見えるけど。
こうして見ると、寝顔だけは年相応に見える。
起きてる時はカッコいいのに、寝顔は可愛いって最強なのかな左和季君。
それにしても……こう安心しきった顔で身を任せられると。
私だってちょっと変な気持ちになってきちゃう。
「イタズラしちゃうかなー……なんて」
「……」
「……」
起きるわけないか。
それにもしイタズラなんかしたら
起きた時倍になって返ってきそうだからやめた。
仮にやれたとしても
左和季君みたいに色気も強引さもない私は、油性ペンで落書き!なんて悪魔の様なことしか思いつかないし。
まったく見飽きない左和季君の寝顔を見て、何分経ったんだろう。
気づけば夢中になっていた寝顔に、時間すら忘れていた。
「……ねぇ左和季くん」
「……」
起きてないのを確認してから、独り言を紡ぐ。