【完】狂犬は欲望中毒。
私の膝の上に頭を乗せて眠っている左和季君に向かって、落とすように自分の気持ちを言ってみた。
寝ている時に告白するなんて、真っ直ぐ気持ちをぶつけてきてくれる左和季君に対して少しズルいかもしれないけど。
意識のある左和季君に『好き』って伝えるには、まだ緊張の方が勝っちゃって言える気がしない。
でも好きって言わせて。
ズルいかもだけど、言いたいの。
「……」
気持ちを言葉にすると、なんだか愛おしくなって
左和季君の前髪に触れようと手が無意識に伸びる。
すると。
伸ばしたはずの私の手を通りすぎた左和季君の手が、私の後頭部を掴み、寝たままの彼に一気に顔を近づけさせる。
「今……なんつった?」
「さっ、さわきくん……!?なんで起きて……っ!?」
「答えろ。『好き』つったろ。……なあ?」
「……っ」