【完】狂犬は欲望中毒。





起きてるなんて聞いてない。


それに眠ってると思ったから聞こえてないと思ったのに。


口に出したのが悪かったみたい。


まさかこんな形で、自分の気持ちがバレるなんて……。



「もおー!なんで起きてるの……!?起きてるなら言ってよ!!」


「うるせぇ、そんなことより」


「そんなことより、じゃないでしょ!!
 私が今どれだけ恥ずかしいか左和季君分かってない!!」


「お前の恥ずかしさなんか知るか」


「……っ、ひっどい!!」


「それで?言ったか言ってないかハッキリしろ」



さっきまで私が左和季君を見下ろす体勢だったのに

なぜか形勢逆転とも言いたげに、左和季君に座っていたソファの上にドサッと押し倒される。



逃げられないよう両手首は固定され。

視界に入れらるのは、左和季君ただひとり。




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