【完】狂犬は欲望中毒。
素直にそう言われると、怒れなくなっちゃうじゃん……。
もうちょっとだけ秘めるはずの気持ちが爆発してしまったせいで、まさか左和季君とキスまでするなんて予想すらできなかった。
そのせいで、目が見れない。
そんな私の上から退いて左和季君は立ち上がり
着崩れした服を整えてから、テーブルの上に放っておいたバイクの鍵を手に取る。
「送る」
「えっ、」
「どうした?」
「いや、また急だな……と思って」
「悪いな、このままふたりっきりだとお前に手出しそうで危ないから」
「……っ!?」
「今日はもう、離してやる」
"けど"を付け加えた左和季君が私を見ながら口角を上げた。
「小羽のこと、大事にはするが遠慮はしねぇ」
「……」
「悪い男に捕まっちまったお前が悪い。」
「……なっ!?」
「これからは覚悟して俺の隣にいろよ」
「……っ」
神様。
はじめて出来た恋人は、私には手に負えないみたいです。