【完】狂犬は欲望中毒。
俺が集会を抜け出した後、暴走族が大勢いるあの場で美喜矢が総長に瞑静の奴らを突き出したらしい。
どうやって説得したかは分からないが、上の奴らも機能していない瞑静は正式に解散することになった。
「ねぇ左和季君。あの人たちどうなったのかな?」
土曜日の真っ昼間から小羽の家に居座って、テーブルに出された香り際立つたらこスパゲティを銀色のフォークにくるくると巻いて口に入れると。
小羽が突然、食欲が失せることを言い出す。
「お前、俺とふたりでいる時に他の男のこと気にしやがって。浮気か」
「ちが……っ」
焦って目を見開く小羽に、ククッと堪え損ねた笑いが漏れる。
「冗談だ、冗談。まさか本気にするとはな」
「……っ、だって左和季君目が本気なんだもん!」
「お前が可愛いから浮気しても許しちまいそう」
「……しないよ、そんなこと」
「分かってる。まず浮気なんかしたら、監禁もんだろ。」
「それって許してなくない?」