【完】狂犬は欲望中毒。





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土日は大体、小羽と一緒にいるのが当たり前になってきた。


が、この間の瞑静の一件で小羽を守るために蛇狼のメンバーを動かせてしまったせいで
その時に下された条件を飲んだはいいが、まさか大事な土曜日に呼び出されるとは思わなかった。



不満げに電話をかけてきた松茂さんを見る。



「しょうがねぇだろ、また集会があるんだから。
 俺が決めたことじゃないのに、俺を睨むな。」



「この前やったばっかじゃないですか」


「それとこれとは別だろ」


「それでも早すぎませんか?普通そんなすぐに集まるほど馴れ合ってる訳でもないじゃないですか。」



下手したら顔合わせしてても、急に裏切る奴だって現れる。


俺達がいるのはそういう世界だ。


ため息を吐きながら、停めてあるバイクに軽く凭れると、松茂さんの顔が険しくなった。



「いや、それがな?今まで集会といえば他のチーム同士で集まって、しかも全員男だけだったろ?」


「そりゃあ、まあ。」


「今回から女側も合同で集まるんだとよ。」


「……は?」


「ちなみに今回の集会は全員強制参加らしいから、お前に瞑静の件での約束がなかったとしても関係ないからな。絶対に出ろよ」



「……」





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