【完】狂犬は欲望中毒。







「左和季くん……!今日会えないって言ってたのに、急にどうしたの!?」


「どうしたもこうしたもねーよ。
 お前……俺になにした?」


「へっ?」


「惚けんな、お前に会えないってだけで体がソワソワしちまうんだよ。
 だから手っ取り早く治すためにお前に会いに来た」


「……さわきくん、なに言ってるの?頭打ったの?」



俺のことを変なものを見るような目で見てくる小羽。


そんなことはどうでもいい。


コイツを見た瞬間、ソワソワと落ち着かない感情が消えた。


その代わり、こんどは小羽を抱きしめたくなるから厄介だ。



まじで俺、どうした。



さっきから、こいつに近づけば近づくほど欲望が膨らむ。



まるで抑えが効かねぇ……。


異常だな。







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